【背景】
2021年1月、米国環境保護局(EPA)は、有害物質規制法(TSCA)の第6条(h)に基づいて、PBT物質5種に対する規制を公表しました。これによって、対象5物質は流通、含有、使用が2021年3月8日より段階的に禁止されることになりました。
(上記の詳細については、次の解説をご参照ください。)
1.【米国EPA_TSCA】5種類のPBT物質に関する最終規則の公表
2.無料配信中「5分で分かる。TSCA(トスカ)って何?」【日本語】 | ラボノモリ (labnomori.com)
【PBT物質5種の一つ、PIP(3:1)に関する続報】
2021年9月3日、EPAは、当PBT物質5種類の内、「リン酸トリス(イソプロピルフェニル):PIP(3:1)」を含有する成形品の製造、加工、流通に関する遵守期日を2022年3月8日まで延長する新規則を発表しました。しかし、それに対し、2021年9月21日、米国消費者技術協会(CTA)、米国電子回路協会(IPC)、情報技術産業協議会(ITI)は、この新規則ついての組織間レビュー会議を開催し、PIP(3:1)の禁止期日を48ヶ月まで延長するよう求めました。
その結果、EPAはPIP(3:1)含有成形品の加工と販売の禁止および関連する業務記録の保持について、遵守期日を2024年10月31日に延長しました。これにより、PIP(3:1)の使用を段階的に廃止するため、企業により多くの時間的猶予が与えられました。同時に、EPAは当提案の通知から60日以内の期間、パブリックコメントを受け入れます。
【本ニュースの要点】
米国TSCAにおいて、PIP(3:1)を含有する成形品に関わる遵守期日は、2024年10月31日へと再延長されました。