【中国】VOCsに関する9つの強制国家標準を公布
中国国家市場監督管理総局(SAMR)および国家標準化管理委員会(SAC)は、揮発性有機化合物(VOCs)に関する9つの強制国家標準(GB)を発布し、コーティング、接着剤、洗浄剤、インクについて含有量制限とVOCs検査法を標準化しました。これに合わせて、対応する古いバージョンの標準は廃止になります。下表にその新しい9つのGBと古いバージョンの標準(代替規格)をまとめました。これら新GBの影響は、建設、船舶、家具・雑貨、輸送機器、電気電子機械など、かなり広い範囲に及ぶと考えられます。
今回のVOCsに関する新GBの策定は、2018年7月に国務院が発表した大気質改善のための計画「青空を守る戦い3年行動計画」の一環になりますが、これにより関連企業の自社製品中に対するVOCs含有量の管理及び低減が促進されます。
また、VOCsの含有量検査法について、表2にGB38507-2020「インク中の揮発性有機化合物の含有限度」、表3にGB 38508-2020「洗浄剤中の揮発性有機化合物の含有限度」、表4にGB 33372-2020「接着剤中の揮発性有機化合物の含有限度」、表5にGB 30981-2020「産業用保護コーティング中の有害物質含有限度」に関する参考情報をまとめました。製品のカテゴリ及び種類によって試験方法は異なりますが、例えばインクの場合ですと、VOCsの含有率(15%が境目)が試験法の分かれ目になります。15%以上の含有製品については直接VOCsを測定するのではなく、VOCs以外の非揮発性物質と水分量を測定して差分法(引き算)によって導くやり方です。この場合、水分量の測定はカールフィッシャー法、非揮発性物質の測定はGC-TCD、ハロゲン化炭化水素はGC-MSによる測定と規定されています。
他の新GBの試験法など、本トピックの内容については随時内容更新を行っていきますので、最新情報について定期的に本特集ページをチェックして頂ければと思います。
実際の運用でのよくある質問FAQ集もご参照ください。