例の中国VOCs 規制 新GB発効について、最近このような問い合わせを多く受けるようになりました。これは、発効日以降でも、新GBが発効される前に購入しておいた在庫品であれば、新GBの要求に適合していなくても工場等で生産材料として使ってもOKなんですよね?という質問になります。
どうやら一部では、この件について「使用しても問題なさそうだ」という見解が広がっているようですが、果たしてそうでしょうか?
たしかに、当該GB中には『発効日より前に製造された在庫品』に関する言及は見当たりませんが、だからと言って使って良いという事にはなりませんし、使って良いという根拠も見当たりません。
皆さんもご周知のとおり、これらのGBは約半年以上の猶予期間まで設けられた強制国家標準です。しかも2020年を目標年とした環境政策の一環ですから、発効日以降にGBに適合しない製品は中国市場への輸入や販売はもちろん、使用についても認められるものではないと考えるのが一般的ですよね。もし、在庫品がOKならば、発効前に大量買いして使い続けるといったケースも想定をされますよね…。
更に、以前ラボノモリでも紹介をした「VOC管理ガイドライン(今回の中国VOC規制に合わせて、中国生態環境部が14の産業界ごとのガイドラインを発表)」中においては、各分野の生産・使用原材料中のVOC含有限度量が規定されているとともに、ハッキリと「2020年12月1日から、使用する塗料、洗浄剤、接着剤中のVOC含有規制値はガイドライン中の値に適合すること。使用するインクは2021年4月1日からガイドライン中に適合すること。」と記されています。
また、ガイドライン中では製品品質の標準として《GB 33372-2020:胶粘剂挥发性有机化合物限量》等の新GBが引用されており、ガイドライン中の規制値は新GBとリンクしていることも見て取れます。
今回の中国VOC新規制は、製造・開発・代替品の確認や変更対応等が必要になり、メーカーや商社にとっては大変重要なトピックです。
そして、その重要性から日々様々な情報が飛び交い、その情報が人や会社を通じてニュアンスが変わって伝わってしまっているのも事実のようです。
いったい何が正しい情報なのか?そして私たちは何をすればよいのか?
発効日が迫り、更なる情報収集も必要となる中、
政策や会社方針、ステークホルダー等の状況を理解した上で、
「いつ」、「だれが」、「どこで」、「だれに」、「なにを」がネックではないでしょうか。
ラボノモリ中国VOC解説チーム