大家好!中国VOC規制解説チームです。
みなさん、いきなりですが「无组织排放(無組織排出)」というワードを知っていますか?
この言葉、今後の中国製造業において、重要なワードになりますのでコラムで紹介をしたいと思います。
そして、このワードはこれまでラボノモリで開催してきたVOC規制のE-ラーニング講座でも登場しています。
各規格に関して理解を深めていきたい方はこちらこからどうぞ
さて、講座の冒頭の《2020年中国VOC規制の全体像》では、
規制が①製品含有規制と②排出規制に分かれていることを解説していますが、
②の中で「GB37822-2019:挥发性有机物无组织排放控制标准」という標準が紹介されています。
先ずはその基本情報を記します。
標準番号:GB37822-2019
中文標準名称: 挥发性有机物无组织排放控制标准
英文標準名称:Standard for fugitive emission of volatile organic compounds
和訳:揮発性有機化合物無組織排出基準
標準分類:強制国家標準
公布日:2019-05-24
発効日:2019-07-01
上記のように、これは2019年7月から発効となったVOC排出に関わる新しい強制規格なのですが、名前に「無組織排出」という耳慣れないワードが入っているため、よくお客様から「どういう内容?」と質問を受けます。
では、本題の「無組織排出」とは何か?ですが、
一言でいうと「処理設備を介さない排出」になります。
つまり、この標準は「処理設備を介さないVOC排出を減らすためのルール」となります。
これまでの環境規制で、工場等からのVOC排出は処理設備の導入でかなり抑制をされましたが、
一方で、VOCを多く含む製品や原材料(例えば、接着剤、塗料、洗浄剤、インク、その他の有機溶剤など)の輸送や保管、使用中における排出および配管からの漏洩排出(処理設備を介さない排出:無組織排出)等についてもルール化し、対策が強化されることとなりました。
それがこのGB37822-2019になります。以下に概要を紹介します。
本規格は、揮発性有機化合物(VOCs)物質の貯蔵、VOCs物質移動および輸送等の組織化されていない排出(大気汚染物質などが特定の排気筒を通らずに排出される行為)の管理要件、製造工程で発生するVOCsの組織化されていない排出管理要件、機器および配管におけるVOCs漏洩管理要件、開放状態の液面からの組織化されていないVOCs排出管理要件を規定しています。加えて、VOCsの組織化されていない排出の情報・記録の収集および処理システムの要件、および企業工場内および周辺の汚染モニタリング要件を規定している。
詳細は、有機溶剤を10%以上含む原材料を取り合う際のルールなどがありますが、これらについては、またの機会に解説をできればと思っています。
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ラボノモリ編集部