中国VOCs規制2020  FAQ集

2020年11月25日更新

GBの公布を受け、内容解釈と対応に苦慮している企業も多いのではないか思います。そこで今回ラボノモリでは、前回の特集記事『最新中国VOCs規制2020』の続編として、皆さまが規制対応に取り組まれる中で直面するであろう疑問をFAQ集としてまとめました。参考用ではありますが、理解の一助となれば幸いです。

基本概要として下表1で9つの新GBの標準番号、名称、公布日、発効日、代替規格をまとめています。ここでの代替規格とは、今回の新しいGBによって置き換えられる既存の規格を指します。新GBの公布から発効までには、企業が新規格に対応するために半年から1年の猶予期間が設けられています。GBによって発効日が異なりますので注意が必要です。

また、これらのGBの内容には、対象範囲(スコープ)、規制対象となる有害物質及びそれらの含有限度量、試験方法や包装表示などが記されています。(詳しくは前回特集をご参照ください。)(1) 接着剤、(2) 塗料・コーティング、(3) 洗浄剤、(4) インクという大分類がありますが、この4つのアイテム中でも品種や用途に応じて、規制対象物質や含有限度量、試験法等が細かく設定されていますので、自社に関連するアイテムがどのカテゴリに属するのか、注意深く確認をする必要があります。

FAQ集
Q1. 当該有害物質の検査証明において、中国政府が指定する試験機関があるのでしょうか?
A. 政府指定の試験機関はありません。ただし、通関や市場監督など、法執行として行われる調査では、基本的にはCNAS (ISO17025)やCMAマークのある検査報告書の提示を要求されるようです。
Q2. GBで指定されている標準試験法とは別の方法で検査した結果(検査報告書)は、遵法証明として有効なのか?
A. 指定試験法以外の方法(例えば、ISO国際規格等)で実施された検査結果は、通関や市場監督など、法執行として行われる調査では基本的には認められないようです。
Q3. 接着剤、塗料・コーティング、洗浄剤、インク以外の製品を中国で製造しているが、その製造工程で接着剤などを使用します。このような「製造工程で使用する接着剤など」も新GBによる規制の対象となるでしょうか?
A.対象となります。
Q4. (3)の質問にある「製造工程で使用する接着剤など」が、国外からの輸入品であっても新GBによる規制の対象となるでしょうか?
A. 対象となります。 通関や輸送・保管の際に、海关や国家市場監督管理総局(SAMR)から遵法調査(抜き取り検査)を受ける可能性があります。また塗料など、輸入に際しての備案(事前申請)で検査が必要なケースもあります。
Q5. (3)の質問にある「製造工程で使用する接着剤等」が、自社内での使用のみを目的として、工場内で原料から調合するものであっても新GBによる規制の対象となるでしょうか?
A. 対象にならないと想定されます。9つの新GB はあくまでも、接着剤、塗料・コーティング、洗浄剤、インクについての標準であるため、調合前の原料段階では対象とはならないと考えられます。例えば、接着剤の新GB(GB33372-2020)では、スコープ(範囲)に中間体は対象外という記述があります。
Q6. 発効日より前に購入或いは製造をした接着剤、塗料・コーティング、洗浄剤、インクの在庫も、新しいGBによる管理になるのでしょうか?
A. そのような製品についても、発効日以降は新しいGBでの管理となります。よって、GBに適合していない場合は発効日以降、中国国内において使用、販売をすることはできません。
Q7. 接着剤、塗料・コーティング、洗浄剤、インクについて、新しいGBの中で適用対象外となるケースはありますか?
A. 適用対象外のケースについては、多くの場合各GBのスコープ(範囲)に記載してあります。その例として展示品用のサンプル品、研究開発用などが挙げられます。また、注釈部分等に詳細な条件が記載してある場合もあります。例えば、接着剤のGB33372-2020では、溶剤型胶粘剤のVOC含有限量について「特殊」という用途カテゴリがあり、現場修理用(现场抢修用)、防腐特化型(重防腐专用)等について別途含有限量が設定されています。
Q8. 既にインクで印字された部品及び製品を中国へ輸出する場合、その製品及びインクはGB38507-2020インク中のVOCsの含有限度に適合する必要がありますか?
A.GB38507-2020のスコープでは「出荷状態であるすべての種類のインクに適用」と規定されており、インク製品そのものを対象としています。よって、既に印字された状態での製品については対象外であると考えられます。インクにおいては、別途使用や廃棄に関しての法規制等もあり、それに対応する為、供給先からはそれら準拠に関連する試験データ等の情報を求められるケースもあり得ます。
Q9. サプライヤーから供給されるパーツやアッセンブリに接着剤やインクが使用されており、遵法確認のため、それらの接着剤やインク中の有害物質含有を検査したいのですが、試験機関にはどのような形で検体を渡せばよいでしょうか?
A. パーツ、アッセンブリ、完成品に使用されている接着剤等について、有害物質検査を試験機関に依頼する場合は、サプライヤーから入手する等して、接着剤そのものを検体として提出する必要があります。
Q10. 揮発性有機化合物(VOCs)といっても非常に多くの種類があるわけですが、今回の規制におけるVOCsの範囲(定義)はどのように設定されているのでしょうか?
A. 多くの場合、各GB又はそのGBに引用されている別標準の中にVOCsの定義が記されています。
Q11. 用途に応じて異なるVOCs含有限度量が設定されていますが、商品が複数の用途に該当する場合はどの含有限度を守る必要がありますか?
A. 例えば接着剤のGB 33372-2020や工業用防護塗料のGB 30981-2020には、『製品が多数の用途に及ぶ場合は、各要件における最低の含有限度量(最も厳しい限度量)を守ること。』と規定されています。
Q12. GB中に包装標示に関する規定がありますが、これは義務なのでしょうか?
A. はい。強制国家標準の要求事項であり、必要と考えられます。標示内容については各GBに記載法が規定してあります。例えば接着剤のGB 33372-2020には包装又は仕様書に記載するよう規定されています。
Q13. 洗浄剤のGB 38508-2020の項目「7.包装標示」の中に『低揮発性有機化合物含有量の要件を満たす洗浄剤製品は、VOCs低含有洗浄剤と標示できる。」とありますが、その条件は何でしょうか?
A. GB 38058-2020中の5.2項に記載されています。水系についてはGB 38508-2020中の表1の要求を満たせば、半水系についてはGB 38508-2020中の表2の要求を満たせば、低VOC含有洗浄剤となると記載されています。
Q14. 工業用防護塗料に関するGB 30981-2020に、「特殊機能塗料」に関する免除事項がありますが、特殊機能性塗料とはどのようなものでしょうか?
A. GB 30981-2020中の5.1項に記載があり、絶縁塗料、タッチパネルと光学プラスチックシート用の耐指紋塗料、150℃以上の高温で焼結されたPTFE塗料(耐薬品性、耐摩耗性、平滑性、非粘着性などの特殊機能)、エラストマー用フッ素シリコン塗料、電気銀めっき効果塗料(放射線硬化型)、標示用塗料、電子部品用保護塗料(防酸霧、防塵、防湿等の特殊機能)等になります。
Q15. Q14の質問に関連して、特殊機能性塗料に該当すればGB 30981-2020の対象外となるのでしょうか?
A. いいえ。VOCs含有量についての制限は免除されますが、GB 30981-2020中の表5にある「その他の有害物質含有量」には適合する必要があります
Q16. Q15の回答にある「その他の有害物質」には、どのような物質が入っていますか?
A. 以下の物質が記載されています。ベンゼン、トルエン、キシレン(エチルベンゼンを含む)、ハロゲン化炭化水素、多環式芳香族炭化水素、メタノール、グリコールエーテル、エーテルエステル、重金属。
FAQ集は随時更新をしていきますので、定期的に本記事をチェックして頂ければと思います

おかげさまで、本FAQ集は好評をいただいております。皆様のお役立ての為に、FAQ集を随時募集しています。
お答えできる範囲で回答いたしますので、このページに関するご質問やこのページに無いようなケースがありましたらお気軽にお問い合わせください。お問い合わせはこちらから受け付けております。

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