現在、中国では国家発展改革委員会および生態環境部の主導で、プラスチック汚染対策が推進されています。2020年1月に、両機関から共同で発表された『プラスチック汚染対策の更なる強化についての意見書』で示された方針は以下の通りです。
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- 2020年、指定地域において、特定のプラスチック製品の生産、販売、使用の制限と禁止を実施する。「プラスチック製の買い物袋、プラスチック製ストロー、発泡スチロール製の使い捨て食器、プラスチック製の使い捨て綿棒」の生産と販売を禁止などを計画。
- 買い物袋、包装、食器などの使い捨てプラスチック製品の消費量を2022年を目途に大幅削減し、それらの代替製品の流通を促進、そしてプラ廃棄物のリサイクル率やエネルギー回収率を大幅に増加させる。そして、プラスチックによる汚染が顕著な分野及びeコマース、貨物配送(快递)、食品配達などの新興分野において、プラスチック削減とグリーン物流モデルを形成する。
- プラスチック製品の製造、流通、消費、リサイクル、廃棄に関わる管理システムの基礎を2025年を目途に確立し、代替製品の開発と実装を一層進化させる。加えて、主要な都市のプラスチック廃棄物の量を大幅削減し、プラスチックによる汚染を効果的に制御していく。
また、2020年7月には、中国国家発展改革委員会と生態環境部などの関連する9部門が「プラスチック汚染防止の確実な推進について通知」を共同で発表しました。この通知の中で、2020年末までに禁止又は制限されるプラスチック製品の種類が詳細に記されています。加えて通知では、主な各省、自治区、直轄市の関連部門に対し、2020年末までに目標達成に向けた検査や監督等を強化するよう要求しています。このような背景から、各省市で実施法案が発表され、地域ごとの取組が開始されています。上海市の例では、『上海市プラスチック汚染防止のさらなる強化の実施方案(意見募集)』が公布されました。
さて、上記のように法令法規が発布される中で、代替製品である生分解性プラスチックに関する標準規格の整備が進んでいます。その一部として、今日は以下3つを紹介します。
1.GB/T41010-2021 《生分解性プラスチックと製品の分解性能及び標示に関する要件》
・適用対象
天然高分子材料、合成ポリマー、可塑剤、顔料、その他添加剤等を含む材料、左記の材料の混合物、種々の生分解性材料から作られた製品
・生分解性プラスチック及び製品の分解性能に関する要件
有機物含有量(揮発性固体)、化学的性質(重金属および特定の元素含有量の制限、高懸念物質)、生分解率、崩壊率、分解生成物の生態毒性試験
・生分解性プラスチックと及び製品の標示に関する要件
標記(材料、分解環境条件、製品規格、分解試験方法規格、製品名)、標示マーク(ロゴデザイン有:下図を参照)、その他の標示条項
図1 標示マークのロゴデザイン
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a. 材質 |
b. 分解環境条件、分解環境条件は以下を含む
土壌分解可 堆肥分解可 海洋環境分解 淡水環境分解 汚泥の嫌気性消化 高固形物嫌気的消化 |
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c. 品質技術要件の国家標準或いは業界標準 | |
d. 製品名称 |
2.GB/T41008-2021 《生分解性飲用ストロー》
・適用範囲
生分解性樹脂で作製したストロー、生分解性プラスチックを食品接触層に塗布或いは複合したストローや天然高分子素材を主成分とした飲用ストローにも適用可
※純紙製ストローには適用しない。
・生分解性飲用ストローに関する技術要件
外観、規格サイズ、屈曲可能なストローの蛇腹部分をまっすぐに伸ばした後の損傷率、含水量、溶解性、有機物含有量(揮発性固体)、化学的特性、生分解性(生分解率、崩壊率、分解生成物の生態毒性試験)
3.GB/T 38082《生物降解塑料购物袋》
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